脱炭素と石油メジャー

こんにちは!味ぽんです。

今日のブログでは世界で脱炭素社会を目指す機運が高まっている中、アメリカ石油メジャーのエクソンモービル<XOM>や英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル<RDSB>に対して環境対策への取組が不十分として経営陣に対して圧力がかかっています。年初来、エネルギーセクターは好調に推移していますが今後の見通しと脱炭素への取組について解説していきます!

この先エネルギーセクター持ってて大丈夫?という方や、なんでこんなに株価調子良いんだ?って思われている方、この記事を読んで頂き皆さんのモヤモヤ解決の一助となれればと思います

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もくじ

石油メジャーの業績と取組

まずはExxonMobilとShellの業績や配当状況を確認しましょう

<XOM>直近4年の売上と利益の推移

売上は2018年以降、2019年と2020年は連続して売上減、2020年は赤字に転落。しかし、2021年4月決算ではアナリストの予想を上回る好決算で、現在株価は上昇中ですね

配当

年間配当金:$3.48 / 株(配当利回り 5.9%、38年連続増配中)

環境への取組

今後5年間に温室効果ガス排出量を16年比15〜20%削減を目指す

<RDSB>直近4年の売上と利益の推移

<XOM>同様、売上は2018年以降、2年連続で売上減で2020年は赤字に転落しました。

配当

年間配当金:$1.33 / 株(配当利回り 3.5%、去年約70年ぶりに減配)

環境への取組

今年2月、温暖化ガス排出量を2050年までに実質ゼロにする計画を発表。中間目標として30年時点で16年比20%減と定めていた

このように石油メジャー各社はどちらかと言うと、高配当や自社株買いなどの手厚い株主還元を重視して投資家の評価を得てきました。

脱炭素の風潮

ところが、バイデン政権誕生後「パリ協定」への復帰が決定し、石油業界全体に脱炭素の波が来ています。

流れとしては、機関投資家がESG(環境・社会・企業統治)重視の投資方針を相次ぎ表明します。そして、運用会社や金融機関にもESG対応を迫り、その投資先や融資先である企業に脱炭素の圧力が連鎖する構図です。

石油メジャーに強まる圧力

例えば、ExxonMobilの先日の株主総会では僅か0.02%の株式しか保有しない投資会社、エンジン・ナンバーワンから推薦された4人の取締役候補から2名が選出され取締役が交代しました。これまでの配当による株主還元ではなく、機関投資家からは環境対応を迫る判断が下されたことになります。

Shellに関してもオランダの地方裁判所が二酸化炭素の純排出量を2030年までに19年比で45%削減するよう命じる判決を出しました。

クルマに関しては、ガソリン車→EVというトレンドが徐々に世界で浸透しつつあります。以前、EVに関する記事も描いていますので、そちらも併せて読んでみて下さい

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ではなぜ今、石油銘柄が上昇基調?

幅広い事業構造

石油メジャー企業が相次いで株主や司法からの圧力を受け環境対策に本腰を取り組まなければいけなくなります。これからの成長の鍵となるのは如何に「利益を伴って脱石油戦略を描けるか」という点になりそうです。

<XOM>や<RDSB>のような石油企業は原油と天然ガスの探鉱から、製造販売まで手がける寡占事業のため市場にプレイヤーが限られています。

また、石油と聞くとガソリンのイメージが強いですがそれだけでなくポリエチレンや、オレフィンなど、石油化学品の製造までと事業幅が広く、上流〜下流の3つの事業領域に分かれます。

  • Upstream (=上流):原油の探鉱・開発・生産
  • Downstream(=下流):精製・輸送・販売
  • Chemical (=化学):石油化学製品の製造・販売

例えばShellの場合、脱石油に向けて2025年まで上流工程の新規開発を続け、顧客の石油ニーズと自社の事業転換・株主還元の原資を蓄え2025年〜30年にかけて徐々に石油生産のペースを削減する計画を発表しています

直近の見通し、買うならこの銘柄!

昨今のコロナ禍でヒトやモノの移動が激減しました。しかし、今年に入りワクチンの普及もあり欧米を中心に徐々に経済再開の兆しが見え始めています。

観光・物流・インフラ開発等、様々な場面で石油エネルギーの恩恵を受けて我々は生活はしており、「脱炭素」と掲げても一朝一夕に事が運びにくいのが現実です。投資家としての目線では、私はこの石油企業がどのような環境対策の取組を掲げ実践していくのかということに注目しつつ、<XOM>や<RDSB>、<CVX>またはエネルギーセクターへの分散投資で、<XLE>ETFを持つのも非常に良い戦略と思います

エネルギーセクター銘柄お持ちの皆さん、今は慌てず各企業の事業戦略にじっくりと注目していきましょう

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今日も最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。また来まーす👋

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